著作権の基本の「き」

「著作権」という言葉はよく聞くけれど、いまいちどういう権利なのかわからない…
そんな方も多いのではないでしょうか?

たとえば、自分の投稿を誰かにパクられた、有名フォトグラファーの写真が勝手にTシャツのプリントにされてる、人気キャラクターが無断でアイコンにされた――著作権は、こうした身近なケースで問題となります。

このように著作権は、日常的に関わってくる重要な権利。
だからこそ、基本の「き」をマスターしておきましょう。

著作権とは何か?

著作権とは、「著作者が、自分が創作した創作物(著作物)の利用を認めたり禁止したりすることができる権利」をいいます。
要は、自分の描いたイラストを自由に使えるし、誰かに「使ってOK」といえるし、無断で使ってる人に「使うな」といえる権利ですね。
自分が創作した創作物の利用を独占できる強力な権利です

では著作物とは?

著作物とは、「文芸・学術・美術・音楽などで、人の思想や感情を創作的に表現したもの」をいいます。
ここ結構重要なんですよ。
なぜなら著作権で保護される「著作物」に当たらなければ、それをパクッても著作権侵害にならないわけです。
だから元ネタを使いたい、マネしたいと思ったら、元ネタが著作物に当たるかを検討しましょう。

・「思想や感情」を表現したもの
まず、「思想や感情」を表現したものなので、単なる事実やデータは著作物にあたりません。
「富士山の標高は3776mです」「2021年の日本のジェンダー・ギャップ指数ランキングは120位です」はいずれも単なる事実・データですので、著作物には当たりません。

・「創作的に」表現したもの
この「創作的」は一般に何らかの個性が発揮されていればOKとされています。
他方、ありふれた表現や、パクリ表現、誰が創作しても同じになる表現などは「創作的」ではないので著作物には当たりません。
たとえば「こんにちは」みたいな定型的なものが典型例ですね。

・「表現」であること
「表現なのは当たり前じゃない?」と思われるかもしれませんが、ここが重要です。
著作権はあくまで「表現」に発生します。
なので、アイデアは著作権では保護されません。
たとえば、「赤いリボンを付けた猫の女の子」というアイデアには著作権は発生しませんが、皆さんがイメージする「キティちゃん」のイラスト(表現)には著作権が発生します。

著作権は権利の束

実は「著作権」は、「コピーする権利(複製権)」「ネットに送信する権利(公衆送信権)」などの権利(支分権といいます)の束なんですよ。
で、この一つ一つの権利をバラバラに誰かに譲渡したり、利用を許諾することができます。
「著作権侵害」はこの支分権のどれかの侵害ということですね。

では、どんな場合に著作権侵害になるのか?

著作権侵害になるのは以下の場合です。

・① 元ネタをもとにして制作したか(依拠性)
まず、元ネタをもとにして制作していることが必要です。
ここ、結構驚かれるのですが、たまたま似ていただけで参考にしていない場合は著作権侵害にはなりません。
ただ、ここは「見てない」といい張ればよいというものではなく、どの程度似ているか、元ネタを参考にしないと創作できないか、元ネタの公表時期等も踏まえて判断されることになります。

・② 元ネタとよく似ているかはどう判断するか?
ここが最も難しいポイントです。
私見ではありますが、裁判所は2つの作品を比較してこんな感じで判断しているようです。
 ◆ アイデアが同一 →似ていない
 ◆ 表現じゃない部分や創作的じゃない部分が同一 →似ていない
 ◆ 創作的部分に表現上の本質的な特徴を直接感じ取れる →似ている!

著作権侵害にはあたらなくてもご注意を

なお、著作権侵害の問題とは別に、著作権を侵害していない場合でも、元ネタの著作者の方が「いやだな」「やめてほしい」と思う使い方をした場合にはトラブルになる可能性が大なので気を付けて。
ただ、著作権侵害とマナーの問題とはわけて考えたほうがよいと思います。

巷には著作権について誤解した内容もよく見られるところです。
皆さんには、ぜひとも正しい著作権の知識を身につけていただけたら嬉しいです。